コウ¶
コウ(劫)¶
石の取り方はもうわかってきたと思いますが、最後にひとつルールを覚(おぼ)えていただきます。 これを覚えれば囲碁のルールは全て理解したことになります。
ちょっとむずかしいのでがんばって下さい。
白1子がアタリになっていますね。取ってあげましょう。
取りましたか?そしたら、その様子をよく見て下さい。
たった今打った黒石がアタリの状態(じょうたい)になっていますね。次は白番ですから白はこの黒を取れそうです。
するとどうでしょう?また最初とおなじ局面(きょくめん)になってしまいますね。 ということはたがいに1子を取り合って先に進めなくなってしまいます。
これでは困るので囲碁のルールでは同じかたちの繰(く)り返(かえ)しになってしまうような取り返しができません。 このことを「コウ」と呼びます。
それでは白はずっとこの黒を取ることができないのでしょうか? できます。ただし、白はいったん他の場所に打たなくてはいけません。 そうすれば碁盤(ごばん)の状態(じょうたい)が変わるので同じかたちとならないからです。
上の盤で他の場所に打って下さい。そして、その次の黒も、はなれたところに打って下さい。
すると白番ですが今度はアタリになっている黒を取り返せます。確認(かくにん)して下さい。
すると今度は黒番ですが、またすぐに取り返せません。上の盤で確認して下さい。着手禁止(コウ)と表示されます。 黒もまた別の所に打ってからなら取り返すことができます。
上の盤では黒番、白番ともあなたが打つことができます。いろいろ打ってみてコウを理解(りかい)して下さい。
コウは実戦ではどのような風にあらわれるのでしょうか? (盤面に座標が書いてませんが、左上から横の軸は一二三...九、縦の軸は1234...9と想定してください。)
このままでは上辺(じょうへん)の黒5子が取られるのでまずは白1子を取りましょう。(五の2) これでコウの始まりです。今度は白5子がアタリでピンチですがコウなので今打った黒1子をすぐに「四の2」に打って取りかえせません。
しかし白にとってここはゆずれません。そこで、黒が無視(むし)できないような場所、たとえば五の8に打ちます。ほっておくと左下の黒8子が全滅(ぜんめつ)なので黒はしかたなく五の9に打ちます。
さて、白は今度はコウを取りかえします。(四の2) すると、黒は、白が無視(むし)できないような所、たとえば「二の6」に打ち、白が「一の6」と受けてくれたら、またコウを取りかえします。(五の2) これがコウ争(あらそ)いです。
このコウ争(あらそ)いはどちらかが相手のおどしを無視して上辺の5子を取った時点で終了します。 5子を取られた方は手痛(ていた)いですが、別の場所で2手連打(れんだ)できるのでそこでは得します。
重要なのは、2手連打(れんだ)すると非常にトクなところをさがすことです。相手が2手連打をゆるさなければコウ争いは継続(けいぞく)するし、無視してコウのところを打ちつづければ、2手連打します。
コウ争いは碁盤全体が関係する微妙(びみょう)なかけ引きなのでとても難しいです。 とりあえず、同じかたちのくり返しになるような手は打ってはいけない、とだけ覚えて下さい。
コウは単(たん)なる禁じ手(きんじて)だけではなく、囲碁をよりいっそう面白くする要素(ようそ)にもなっています。